「まさか自分が逆走するなんてあり得ない…」
ニュースを見ながら、そう感じたことはないでしょうか?
しかし実際には、逆走を起こした多くの方は“自分は正しい方向に進んでいる”と感じていたといわれています。勿論ごもっともな意見だと私は思います、間違っている自覚がないのだから逆走を継続走行できるわけですから。
この問題は、単なる運転技術の不足というものでもなく、ましてや不注意というわけでもないように思えます、
実は誰にでも起こりうる“認知のズレ”が関係している。
ここでは、逆走の原因を心理と身体の両面から整理しつつ、
今日からできる対策と、実際に役立つ方法・考え方までわかりやすく解説していきます。
なぜ逆走は起きてしまうのか?
空間認識と判断力の変化
年齢を重ねると、どうしても次のような変化が起こりやすくなります。
- 標識や進行方向の理解に時間がかかる
- 周囲の状況を同時に把握しづらくなる
- とっさの判断に迷いが出たりすぐに反応出来ない。
ここで重要なのは、
**「見えていない」のではなく「処理が追いついていない」**という点です。
つまり本人には“普通に運転している感覚”があるため、違和感に気づきにくいと言うわけです。
「じゃぁゆっくり走ればいいじゃん」そんな声が聞こえてきそうですが、高速道路では渋滞時を除きかつ標識が無い場合の最低速度は50km/h未満です、これは遅すぎると危険だからです。
一般道には基本的に最低速度の規定はありませんが、、、、後ろの車が車間を詰めて来たりと周囲に大して申し訳ないという思いが強ければつい速度を出してしまう人も少なくありません。そのような状況下では焦りも生じてくることでしょう。
記憶と経験による「思い込み」
これは運転だけではありませんが長く運転している方ほど、長く生きている人ほど経験により誤った思い込みが生じます。
- 「この道は慣れている」
- 「いつも通りで大丈夫」
- 「自分は運転技術が高い」
- 「運転歴は長いから平気」
といった過去の経験をもとに判断する傾向が強くあります。
ただし道路状況は常に変化しており、そのズレが
無意識の誤判断につながることがあります。
例えば法改正等によって原付が走行出来なかった道が走行可能になっていた。でもいつも通っている道だから標識は見ないで走行、走行している原付を見かけて「これは違反だ!」なんて言う人もいます。

「自分は正しい」と感じてしまう心理
認知のズレを修正しようとする働き
人は、自分の判断と現実が食い違ったとき、
無意識に「自分のほうが正しい」と解釈してしまうことがよくあります。
例えば、
- 周囲の車が避けている →「何か誤解されているのかもしれない」
- クラクションを鳴らされる →「危険なのは相手では?」
といったように、状況を自分に都合よく理解してしまうのです。
これは決して特別なことではなく、誰にでも起こりうる心理です。
焦りによる判断力の低下
万が一、道を間違えたと気づいたとしても、
その瞬間に強い不安や焦りが生まれます。
すると、
- 視野が狭くなる
- 判断が遅れる
- 正しい行動がとれなくなる
といった状態になりやすく、結果として逆走が継続してしまうこともあります。
逆走を防ぐために今できること
ここからは、実際に行動につながるポイントを紹介します。
① 運転状況の「見える化」
まず効果的なのが、自分の運転を客観的に把握することです。
- ドライブレコーダーで振り返る
- 家族と一緒に確認する
- 運転診断サービスを利用する
→ 自覚のズレを修正する第一歩になります。
② カーナビ・安全機能の活用
最近の車やナビは、想像以上に高機能です。

安全運転支援機能
- 前車発進警告
- 音声ナビ
- 衝突軽減ブレーキ
- スピード出し過ぎ警告
これらを使うことで、ヒューマンエラーをカバーできます。
様々な機能を搭載したカーナビが存在する事は留意しておきましょう。
👉 ポイント
「自分は大丈夫」ではなく、
“ミスは起きる前提で対策する”ことが安全につながります。
③ 無理をしない運転スタイル
意外と見落とされがちですが、
- 夜間運転を控える
- 知らない道を避ける
- 疲れているときは運転しない
こうした判断だけでも、リスクは大きく下げられます。
このようにリスクコントロールが出来ない人が最も事故を起こしてしまうと言うのは残念な事実です。
生活習慣を見直す
これは普段自動車を運転している方とたまにしか運転しない方も共通します。
日々の過ごし方によっても防止する事ができ、むしろこちらの方が防止策としては一番効果的です。
睡眠不足はリスクを高める
睡眠が不足すると、
- 判断ミスが増える
- 注意力が低下する
これは年齢に関係なく起こりますが、特に高齢者は影響を受けやすいという事も知っておきましょう。

軽い運動で脳機能を維持
基本的に脳は代謝しないので老化しません。じゃぁ何故ボケたりするの?と言う疑問になるわけですが体の機能、筋肉や関節などは劣化、退化して行きます。体の機能が衰える事により脳に対して刺激が減少するからこそ脳が退化していくと考えたほうが良いです。体が元気なら脳も元気だという事です。
ウォーキングなどの軽い運動は、
- 空間認識能力
- 判断力
の維持に効果があるとされています。
👉 週2〜3回でも十分変化が出ます。
趣味でスポーツ等をしている方が元気に見えるのはそのためです。

食生活の見直し
極端である必要はありませんが、
- 水分不足を防ぐ
- 栄養バランスを整える
- サプリメントを飲む
これだけでも日常のパフォーマンスは変わります。大事なのは継続する事です。
ですがとても地味な事で劇的変化を感じないので継続できる人が少ないというのが問題ではあります。

検討したい3つの選択肢
① ドライブレコーダーの導入
→ 自分の運転を客観視できる
→ 家族とも共有できる
ドライブレコーダーの記録映像を見直し自身の変なクセなどを分析できます。
これはやや専門的な分野になりますが、私自身サーキットで走っている映像を嫌というほどに見てきました、ブレーキのタイミングやコースのライン取り、ミスした所、苦手なコーナー等を分析し最適化していく訓練です。
特に「ヒヤッとした場面」が見える化されるのは大きいポイントです。
助手席に乗っている人がヒヤっとした所などを見返す事などをしていれば改善効果は大きいです。
② 運転診断サービスの利用
最近は、簡単に受けられる診断サービスも増えています。
一般参加だと教習所でもやっているので最寄りの教習所に問い合わせてみましょう。
- 反応速度
- 判断力
- 注意力
こうした数値を可視化することで、納得感のある判断ができます。
安全運転相談ダイヤル(#8080)なんてものもあります。
これは都道府県警察全国に繋がる専用ダイヤルです、認知機能の相談など不安があれば是非問い合わせてみてください。
③ 免許返納 or 制限という選択
少し重いテーマですが、現実的な選択肢として重要です。
返納してしまえば運転の事は考えなくて済みますが、日々の行動範囲が制限されてしまうという違う恐怖心もあるかと思います。
ただしポイントは、
「いきなりやめる」ではなく「段階的に考える」
- 時間帯制限
- 運転エリア制限
こうした方法もあります。それでも不安を拭えなかったり、運転に改善が見られずむしろひどくなって来ているようなのであれば、返納も視野に入れるべきだと思います。
事故は起きてからでは遅いのです。
まとめ 逆走は「誰にでも起こりうる問題」
逆走は特別な人だけに起こるものではなく、
- 認知の変化
- 心理的な働き
- 生活習慣
こうした要素が重なって起こるものです。ですから年齢が若くても逆走してしまう人はいます、それはニュース等で公に報じられていないから「居ない」という認識になっているだけです。
一方通行を逆走している人もたまに見かけます、それも立派な逆走です。立派な違反です。
だからこそ大切なのは、
👉 「自分は大丈夫」と思いすぎないこと
👉 「原理原則・仕組みで安全を補うこと」
この2つです。
少しの意識と行動の変化が、大きな事故を防ぐことにつながります。なんか最近おかしいな?なんて思った時には、一度立ち止まりゆっくりと自分を見つめなおす事をおすすめします。